目次
第一部 個人と集団のメビウスの輪
第1章 個人の登録・消去・回復―アルゼンチンと同一性の問題
第2章 微小な痕跡に残る社会―ガブリエル・タルドと筆跡の社会学
第3章 塹壕の外の東部戦線―ゴンブローヴィチ、ヴィトリン、ロート
第4章 ナンバリングとカウンティング
―ポスト=アウシュヴィッツ時代の人類学にむけて
第二部 変容する場と身体
第5章 二〇世紀のモンゴルにおける人間=環境関係
―牧畜の「集団化」をめぐる歴史人類学的研究
第6章 千の湖に生きるひとびと―水をめぐるオジブエたちの半世紀
第7章 野口晴哉の体癖論とその今日的意義―失われた身体技法
第8章 カフカと妖術信仰
第9章 知覚、感覚、感情、アフォーダンス
第三部 世界をひらく想像力
第10章 異貌の町と名前のない実力者
―京都における芸娼妓営業地の土地所有をめぐって
第11章 巻き込まれてゆくことからみえる在日フィリピン人移住者たちの社会関係
第12章 蝋と金―エチオピアの楽師アズマリが奏でるイメージの世界
第13章 力の翻訳―人類学と初期社会主義
第14章 国連による平和構築の失敗―コンゴ民主共和国における軍事行動の限界
第15章 国家に抗する社会における鰥夫と子供
第四部 レヴィ=ストロースをめぐって
第16章 動物・論理の発見―隷従・憎悪に抗する思考としての構造人類学
第17章 異なるものへの不寛容はいかにして乗り越えられるのか
―レヴィ=ストロースを手掛かりにして
第18章 他者とともに生きる
―レヴィ・ストロースあるいは他者性と互酬性
第19章 クロード・レヴィ=ストロースの陰画的エコロジー
第20章 「打撃=衝撃」―「表象」「物語」の転位をめぐって
第21章 エコロジカル・インディアンは「野生の思考」の夢を見るか
あとがき
渡辺公三 経歴・業績一覧