目次
日本語版への序文
まえがき
序章 理論的準備
言語にとって他なるもの
言説空間とテクストの物質性
非親和化をとおして「私たち」の閉鎖性に風穴をあけること
本書を導く三つの関心
言語の雑種性
自己の脱中心化の論理
第Ⅰ部 中心の沈黙---伊藤仁斎と間テクスト性の諸問題
第一章 言説編制様式における変化
言説空間とテクスト性
間テクスト性
一つの出発
「誠」と「偽」という観念
「物」の地位
自己の身体の不可視性
第二章 伊藤仁斎---身体としてのテクストとテクストとしての身体
言説性批判
超越主義と「近さ」
言説における会話の出現
発話行為と異質なもの
主体性と人称・人格
非選言的機能と選言的機能
変化という問題
第三章 テクスト性と社会性---実践、外部性、発話行為における分裂の問題
「情」とテクスト性
社会的行為の倫理性
徳の刻印的性質
制度と外部性
「愛」と「道」
第Ⅱ部 枠づけ---意味作用の剰余と徳川期の文学
第四章 発話行為と非言語表現的テクスト
文学的言説と新しい編制
見ることと読むこと
枠組みとその効果
語 り
歴史性の不在
テクストの表象と表象されるテクスト
ある状況における場違いでないテクストと場違いなテクスト
身体行為と言行為的状況
第五章 代 補
発話行為への偏執的な関心の欠如
俳諧とテクストの開放性
絵入り狂言本
口述表現的な連続体の重層化
声と身体との分離
直接的な、もしくは間接的な話法
他のテクストの共存
生と死
読みの行為
直接的な行為、間接的な行為
入れ子構造、枠設定とイデオロギー
再現-表象型とゲシュタルト型
第六章 異化とパロディ
さまざまなジャンル、分類法
書記素と多義性
俳譜化あるいは二重の操作
異化とパロディ
複数の声
視座あるいは射映
テクストの物質性
発話行為と身体
知覚と自己の分裂
第Ⅲ部 言語、身体、そして直接的なもの---音声表記と同一なるもののイデオロギー
第七章 翻訳の問題
〈特定の〉言語にとっての外部
和訓の問題性
内部と外部
発話行為における言語表現的なものと非言語表現的なものの相互依存関係
会話の優先
会話の線条性と和訓
体験的な知と観想的な知
受動性と能動性、読みと書き
第八章 表音表記と歴史
空間および時間的ずれとしての再現-表象
古典の地位
人間の身体と内部
日本語の弁別的同定
テクストへの想像的関係---表音表記とテクストの歴史性
音声の先行性
超越的価値の否定
書記としての歴史的時間
詩と理論の拮抗
一つの言語のうちの異種混交
統辞論---詞と辞
テクストとその言行為的状況
「情」と刹那性
「誠」と沈黙
第九章 舞踏術の政治
社会的現実のイデオロギー的構成
統合の論理
二つの記憶の形式、二つの歴史の意味
主体を編む織機
矛盾の場としての歌
身体の書記
舞踏術の政治
死産される日本語・日本人
言語の可能性としての死
外部性
結 論
国民語と主体性
言語における真正さ
普遍主義と特殊主義
日本語の復活/維新
注
事項索引
人名索引