目次
■人生の一語
■自分を愛する
■人生の羅針盤
■かなしみの国
■願いと祈り
■ひとりの時間
■メモと「書く」
■沈黙を感じる
■言葉と食べ物
■生きがいとは何か
■見えない涙
■似て非なるもの
■眼のちから
■五つの眼
■黄金の言葉
■心の水
■時を取り戻す
■拙いものと切なるもの
■最期の言葉
■人生の土壌
■尊い姿
■よろこびの花
■いのちのコトバ
■いのちの使い方(一)
■いのちの使い方(二)
■見えない手
■言葉のひびき──あとがきに代えて
■探していた言葉に出会うためのブックリスト
前書きなど
年齢を重ねると自然に生活の幕は開く。勉強の期間を終え、仕事に従事するようになれば、生活との格闘はいやでも始まる。
だが、人生の扉が開く時期は人それぞれだ。早ければ早いほどよい、というのではない。ただ、どこかでその扉にはふれなくてはならない。
人は、自分の人生を生きない毎日を送り続けることはできないからである。
生活は水平的な方向のなかで広がりを求めて営まれるのに対して、人生は一点を掘り下げるようにして深まっていく。
生活のなかで人は、多くの言葉を知る。そうすることで会話も読書も執筆もできるようになる。
だが人生の一語は、そうした場所では出会わない。それはいつも切実な経験とともにある。
その言葉とは、広がりのなかではなく、深みにおいて遭遇する。
〈「人生の一語」より〉