目次
監修者まえがき
はじめに[水野哲夫]
Ⅰ 総論
1 子ども・若者のセクシュアリティをめぐる現実とニーズ.[染矢明日香]
2 包括的性教育実践とはどういう実践か、そしてそれをどうつくるか[水野哲夫]
3 子どもを変え、おとなを変え、誰もが過ごしやすい学校(社会)をつくる包括的性教育[樋上典子]
Ⅱ 実践報告
からだを学ぶ
4-1 (実践1)5歳児クラス「自分のからだを知る」[荒武美保]
4-2 (実践2)「からだの権利」を学ぶことは言葉を持つこと語ること.[浦野匡子]
4-3 (実践3)好きがいっぱい――快・不快を知って自分を大切にしよう、人を大切にしよう[多田直子]
4-4 (実践4)小学校6年生「みんなで学ぼう!からだの権利」[長谷川まき子]
4-5 (実践5)「虎視眈々と」性教育[河合玲香]
4-6 (実践6)吉祥女子高等学校における包括的「月経」教育[楢原宏一]
多様性を学ぶ
5-1 (実践7)世界にはいろいろな人がいて、みんな違っていい[荒武美保].
5-2 (実践8)「一人ひとりが違う存在」を当たり前に[松﨑利香]
5-3 (実践9)小学校2年生「こころとからだの学習」から――「わたしたちのたん生」をたがいに学ぶ[中村晴佳]
5-4 (実践10)子どもたちに、キラキラ輝く人生を[瀬野史織]
5-5 (実践11)低学年の子どもと考えるジェンダー――Tシャツ作りを通して[塩塚秀美]
5-6 (実践12)中学校「多様な性」[樋上典子]
5-7 (実践13)性の多様性を知る授業[荻野雄飛]
性と人間関係を学ぶ
6-1 (実践14)「だれもがたいせつな存在」[小島淳子]
6-2 (実践15)子どもとつくる人間関係[松﨑利香]
6-3 (実践16)「だれとでもできるわけじゃないんだ」――みんなで考えた「ふれあい」の学習[池田元]
6-4 (実践17)高学年の子どもたちと学ぶ“同意”と“尊重”[北山ひと美]
6-5 (実践18)中学校3年間の思春期教室の中での人間関係の学び[菊池準子]
6-6 (実践19)「人間関係」を高校生と考える――ワークショップで楽しくリアルに!![谷村久美子]
Ⅲ 「協働」でつくる包括的性教育
7 保護者と教職員でつくる「性と生を語る会」[北山ひと美]
8 学校での協働の可能性とビジョン――2つの学校の実践事例の検討を通して[村末勇介]
9 「協働」での包括的性教育実践――富士見特別支援学校の取り組みをもとに[門下祐子・櫻井裕子・飯村恵・狩野正子]
おわりに[水野哲夫]
執筆者紹介
前書きなど
はじめに[水野哲夫]
(…前略…)
この巻(第3巻)の構成
第3巻は以下の3つの部からなっています。
Ⅰ「総論」
「総論」には「子ども・若者のセクシュアリティをめぐる現実とニーズ」「包括的性教育実践とはどういう実践か、そしてそれをどうつくるか」「子どもを変え、おとなを変え、誰もが過ごしやすい学校(社会)をつくる包括的性教育」という3つの論考を掲載しました。
包括的性教育の対象となる子ども・若者のリアルな分析、包括的性教育の全体像の把握に役立てばうれしいです。
Ⅱ「実践報告」
この巻のⅡでは、19の包括的性教育実践を「からだを学ぶ」「多様性を学ぶ」「性と人間関係を学ぶ」という3つの領域に分けてまとめました。
3つの領域は、「0歳から就学前」「幼児期から小学校低学年」「小学校中学年から高学年」「中学生」「高校生」という5つの年齢グループに分かれています。
一覧表にすると次のようになります。
以下の諸点を意識してこれらの実践報告をお読みいただき、それぞれの実践に役立ててくださることを願います。
○その実践の前提や背景はどのようなものか。
○実践者が対象者のどういう点に着目し、どう分析をしているか。
○どのようにして学びのテーマや課題を設定しているか。
○実践者自身どんな学びを経ているか、どんなふうに集団的な検討をしているか、実践者に変化はあるのか。
○包括的性教育実践は職場づくりや環境づくりとどのような関連があるのか。
Ⅲ「『協働』でつくる包括的性教育」
この巻のⅢは、「『協働』でつくる包括的性教育」です。
包括的性教育を広げていくために欠かせない「協働」に関して、「保護者と教職員でつくる『性と生を語る会』」「学校での協働の可能性とビジョン」「『協働』での包括的性教育実践」という3つの論考を掲載しました。
学校内での協働の具体的な姿とはどういうものか、外部講師の方などに学校を「開いていく」とはどういうことか、を中心に述べています。
第3巻はこのような構成になっています。興味・関心に応じて、どこからでも読んでいただくことができます。
多くの方々が、包括的性教育を学び、つくり、広げていく輪に加わり、ともに歩んでいくことが私たちの願いです。この第3巻がその一歩を踏み出すための一助になれば幸いです。