目次
はじめに
第1部 ニュージーランド北部地方2人旅 2016年6月16日~6月27日
1 飛行機の選択も旅のうち
2 長距離定期バスで北島北端へ
3 丸一日バスツアー~極北地方
4 北部地方~シニアドライブ2人旅
[コラム1]カウリ小史
5 オークランドに再び長距離定期バスで
6 元気元気のシニア
7 日本総領事館そして日本語絵本図書館訪問
[コラム2]国際色豊かなフードコート
第2部 首都ウエリントンとシャクナゲ追跡 北・南島縦断の旅 2002年10月2日~10月13日
8 三重豪NZ協会の誕生
9 協会のニュージーランド初旅行
10 世界遺産
[コラム3]ニュージーランドの世界遺産
11 現在の首都ウエリントン
12 足にまかせてウエリントン
13 ウエリントンから南島ピクトンへ
14 明日はミルフォード・サウンド
15 えっ、ミルフォードに行けない!?
第3部 魚釣りを含む北島3週間のドライブ旅行 2004年10月25日~11月13日
16 海外旅行の在り方
17 北島の冬
18 カウリコースト
19 ニュージーランド最北端地域を行く
20 ニュージーランド国の誕生の地
21 オークランド近郊へ
22 コロマンデル半島を行く
第4部 中学・高校生とシニア3人北島ドライブ旅行 2019年7月31日~8月11日
23 令和の協会初ニュージーランド旅行
24 旅行開始
25 土ボタルと国鳥キウイ見学
[コラム4]キウイについて
26 郷に入れば郷に従え
27 南太平洋沿岸を行く
28 跳べ、若者よ
第5部 ガーデンシティー/クライストチャーチ 2008年3月2日~3月14日
29 イギリス・カラー
[コラム5]ニュージーランドの公用語
30 ガーデンシティー
第6部 大地震下の南島旅行 2011年3月11日~3月22日
31 南島旅行準備中にクライストチャーチ大地震発生
32 クライストチャーチ大地震の爪痕
33 ヘリハイクに挑戦
[コラム6]そそり立つマウントクック
34 ウエストランドを北進
第7部 新進ワイナリー地域とクジラ街道ワイナリー地域 2013年10月16日~10月21日
35 クライストチャーチ近辺ワイナリー
36 クジラ街道を行く
37 パンク修理物語
第8部 サザンアルプスと島々 2006年11月24日~12月5日
38 サザンアルプス山岳ツアーとウォーキング
39 インバカーギルとスチュアート島
40 家族旅行、サウスランド地方
41 小型飛行機でスチュアート島訪問
42 マイクロバス・ツアー
43 オタゴ半島の自然と歴史
44 ダニーデンという街
45 丸石海岸とペンギンの浜辺
46 チャタム島を訪ねる
参考文献
前書きなど
はじめに
(…前略…)
最近、「日本とニュージーランドは法治国で人権尊重、民主主義の国でその基調は同じ」という話を聞く。両国は現在、友好国であることは確かである。だが「同じ」の中身はかなり違うように思う。
視点を変えてみると、違いがはっきりしていることはいくらでもある。例えば、南半球と北半球、時差。四季は両国ともあるが、ニュージーランドと日本は逆である。前者が夏のときは後者は冬である。
ニュージーランドは多様化が進んでいる国である。明日に賭けている人々が多い国である。ニュージーランドは日本とは異質な面が多い国。進取の精神が見える国。意外性が目立つ国。私たちはこのようなところに新鮮味を感じ、驚き、感嘆する。生き生きする学びがあり、日常を反省し、未来の発見がある。好奇心をくすぐる。
ニュージーランドは歴史が浅く、人口は少なく、人口密度は小さい。それにもかかわらず、自然豊かな山のトイレにも都会のトイレにも、花などが飾ってある。すがすがしい。ボランティア活動が活発で人々の公徳心が高いためだろうか。
山道が安全にきれいに管理されている。車いすが使える山道にもときどき出会う。同時に、木の根を保護し、通行を容易にするために木道を工夫して設置している。歴史の浅い国のためであろうか、歴史にも熱い心を示している。ニュージーランドは、ユニバーサル・ツーリズムの精髄を感じる国である。
ニュージーランドは、19世紀にイギリス人がワイタンギ条約を先住民マオリ族の酋長たちと締結することにより、国として出発した。日本はとてつもなく古い国。ニュージーランドはヨーロッパ、とりわけイギリス色の濃い国。日本はとなりの国・中国と古来から関係の強い国。
ニュージーランドは南半球に位置しその北島は亜熱帯性気候。日本は北半球で温帯性気候。
ニュージーランドは人口密度が小さいが、日本は人口密度が大きい。両国とも自然が豊かだが、ニュージーランドには人の入っていない自然が多い。人の住んでいない土地が多い。豊饒な自然の宝庫である。
他方では広大な牧場が広がっている。山林を開発し木々を切り倒して牧場に変えてきた。そしてそれが水害を引き起こしているという人もいる。ニュージーランドの公害問題という人もいる。これはむずかしい問題である。
「持続可能な発展」は現代世界の共通の一大課題である。そのためにニュージーランドは力を傾注している。
2022年12月1日の夕べ、コロナの下東京渋谷区のニュージーランド大使館大使公邸において「ニュージーランド・日本 外交樹立70周年を祝う会」がもようされた。クーパー大使主催によるパーティーは最後にマオリの合唱と踊りによって盛り上がった。
本書が、このような記念すべき折柄に刊行できるようになることは、うれしいかぎりである。
以下に、本書の構成について記す。
たんなる時系列的な旅日記でなく、どのページから読んでいただいてもわかるように心がけた。本書は、ニュージーランドの北部から南部へと進む。日本は北半球、ニュージーランドは南半球である。ニュージーランドでは北の方が南の方より気温は高い。日本とは逆だ。ニュージーランドを旅していると、このへんがときどきこんがらがってくる。
大きな地域分けと、それぞれの地域内の目立ったところは少し深堀りした。そして、特に気の付いたところも書いてみた。また、ニュージーランド短評を、コラムに当てた。
私たち2人は、約30年前からニュージーランドとお付き合いしてきた。20世紀末の1999年に友人たちと三重オーストラリア・ニュージーランド協会を設立し、ささやかながら、両国との「文化の梯」を目指してきた。難病と国に指定されてきた網膜色素変性症協会のニュージーランド旅行の支援を二度成功させた。
私たちは実にたくさんニュージーランドを旅し、旅の道連れからたくさんのおかげをこうむっている。この場をお借りし、厚くお礼申し上げる次第だ。