目次
まえがき[佐良木昌]
言語過程説の形成過程――言語的表現行為論の構築[佐良木昌]
緒言
第一章 言語過程説の端緒
第二章 言語過程説への助走
第三章 言語過程説の構築
第四章 言語過程説の形成期に於ける詞辞論
第五章 場面論の構築過程
第六章 『国語学原論』に於ける場面論
結言
指示と表現――中国語文法についての一つの考え方[小川文昭]
第一章 表現としての音楽
第二章 指示から表現へ
第三章 概念の指示と表現
第四章 言語表現
第五章 中国語の文法的特徴
第六章 文の冒頭と名詞・名詞句(主部)
第七章 中国語の動詞・名詞(賓語)
送仮名の本質と原則[上田博和]
第一章 送仮名の本質
第二章 送仮名の原則
言語の過程的構造からみた日英語の比較対照[宮崎正弘]
まえがき
第一章 文の基本構造と認識
第二章 実体論理性と情況論理性
第三章 「もの」の認識
あとがき
初出一覧
著者紹介
前書きなど
まえがき[佐良木昌]
『言語過程説の探求』の叢書は、言語学および自然言語処理の分野において学的探求を続けている研究者による論文集であり三巻から成る。第一巻の刊行(2004年)から久しく十余年を経て第三巻(2017年)を刊行し、今般第二巻である本書を刊行して全巻刊行を完了した。
各巻各論文の執筆者はそれぞれ独自に学的研鑽を積み重ねているが、時枝誠記が提唱した言語過程説を批判的に継承し発展させるという立場を同じくしている。観念弁証法の転倒と同様に言語過程説を唯物論的に改作し認識と言語の科学的理論を確立する、あるいは精神現象学および純粋現象学への唯物論的批判を通じて言語と意識とを物質の現象学として把握する、あるいは感性的労働の論理を基礎として、言語活動者の主体的活動において言語表現を捉える、といった、それぞれの視点で執筆された諸論考が収録されている。本書『言語過程説の探求』第二巻「言語本質論と個別言語分析」には、関連論文四稿を収める。
(…後略…)