目次
日本語翻訳への序文
序言
序文
第1章 医薬アクセスの課題
はじめに
1 医薬アクセスはグローバルな政策課題である
2 医薬アクセスとは何を意味するか?
3 なぜ医薬アクセスはそんなに難しいのか?
4 本書の構成
5 研究の手法
第2章 医薬アクセスのフレームワーク
はじめに
1 フレームワークの鍵となる要素
2 4つのアクティビティ・ストリーム
3 フレームワークの種類
4 フレームワークの利用
第3章 プラジカンテル――医薬品へのアクセス
はじめに
1 製品開発(フェーズ1)
2 プラジカンテルの導入(フェーズ2)
3 住血吸虫症コントロールイニシアチブ(SCI)を通したスケールアップ(フェーズ3)
4 医薬アクセス拡大に向けたSCIの戦略
5 医薬アクセスを維持するための課題(フェーズ4)
結論
第4章 B型肝炎ワクチン――ワクチンへのアクセス
はじめに
1 製品開発(フェーズ1)
2 途上国へのB型肝炎ワクチンの導入(フェーズ2)
3 B型肝炎ワクチンのスケールアップ(フェーズ3)
結論
第5章 マラリア迅速診断テスト――診断法へのアクセス
はじめに
1 製品開発(フェーズ1)
2 迅速診断テストの導入(フェーズ2)
3 スケールアップに向けた調整機構としてのWHOの登場(フェーズ3)
結論
第6章 ノルプラント(皮下埋込式避妊薬)――避妊法へのアクセス
はじめに
1 製品開発(フェーズ1)
2 途上国へのノルプラントの導入(フェーズ2)
3 ノルプラントの国際的アクセスの拡大(フェーズ3)
結論
第7章 ワクチン・バイアル・モニター――医療機器へのアクセス
はじめに
1 VVMの発見と試験(フェーズ1)
2 経口ポリオワクチンへのVVMの導入(フェーズ2)
3 VVMのEPIワクチンへのスケールアップ(フェーズ3)
4 VVMのスケールアップによる影響
5 現在の挑戦
結論
第8章 女性用コンドーム――二重保護へのアクセス
はじめに
1 製品開発(フェーズ1)
2 女性用コンドームの導入(フェーズ2)
3 スケールアップのための戦略再考(フェーズ3)
結論
第9章 総括――医薬アクセスなくして成功なし
はじめに
新たな知見1
新たな知見2
新たな知見3
新たな知見4
新たな知見5
新たな知見6
結論
用語解説
監訳者あとがき
前書きなど
第1章 医薬アクセスの課題
(…前略…)
4 本書の構成
本書は、3部構成である。第1部で、医薬アクセスに関する一般的な考え方をいくつか提示する。第2部で、独自の調査研究に基づいて一連の医薬アクセス物語(access stories)を述べる。第3部で、それらの事例から学んだ一般的な教訓を議論する。
第1部は、この第1章と第2章であり、我々は、医療技術へのアクセス・プロセスに関する分析フレームワークを提示する。我々のアプローチは、組織構築(architecture)、使用可能性(availability)、支払可能性(affordability)、採用(adoption)に特に注目しながら、文献に記載された医薬アクセスに関する既存研究を取り上げる。第2章では、グローバル、国、地域レベルで生じる特定の活動を検討し、医薬アクセスのこれら4つの次元について説明する。フレームワークは、医薬アクセスのために関連した活動がどのように相互作用するか、そして、多様なアクターが、さまざまなレベルでどのように相互作用するかを示す。
第2部では、深く掘り下げた6つのケーススタディ(第3章から第8章)を示し、途上国におけるさまざまな医療技術へのアクセス物語を述べる。第2章で述べるフレームワークに基づき、主要なアクター、障壁や促進要因、医薬アクセスを改善するための戦略に関する分析によって、6つの医療技術の開発と普及を評価する。
第3部となる最終章(第9章)では、各ケーススタディから得られた教訓について議論する。我々は、医薬アクセスをうまく促進する要因、医薬アクセスを阻害する要因を含んだ、ケースを横断するテーマを探る。そして、新しい医療技術を導入し、スケールアップのプロセスを容易にしうる多くの具体的な提案によって報告をまとめ、その結果として医薬アクセスの拡大につなげる。巻末の用語解説(glossary)は、我々の分析で使用される医薬アクセスの用語の定義のほか、ケーススタディで引用される公衆衛生の概念、そして疾患、症状について掲載している。
(…後略…)