目次
はじめに
「アジア地域統合を考える」講義Ⅰ
第1講 アジアの地域統合と共同シンクタンク構想〔羽場久美子〕
第2講 アジア共同体の現状と課題〔鳩山由紀夫〕
第3講 アジアにおける大国間での日本の役割〔藤崎一郎〕
第4講 アジア地域統合における中国の役割〔程永華〕
第5講 中国と非伝統的安全保障の役割〔天児慧〕
第6講 韓国とアジアの地域統合〔申珏秀〕
第7講 東アジアの地域統合と朝鮮半島〔李鍾元〕
第8講 アジア地域統合と知識共同体の役割〔伊藤憲一〕
第9講 アジア地域の課題と国連〔明石康〕
第10講 いま、なぜアジア共同体なのか〔鄭俊坤〕
第11講 アジアの文化交流の意義〔青木保〕
「アジアの地域統合を考える」講義Ⅱ
第12講 アジアにおけるアメリカのパワーの未来〔ジョセフ・ナイ〕
第13講 アジア地域主義におけるASEANの役割〔スリン・ピッツワン〕
第14講 アジア太平洋地域において新たに出現する二重リーダーシップ構造〔趙全勝〕
第15講 パネルディスカッション――アジアの未来統合〔司会、青木保/北岡伸一、パクチョルヒ、天児慧、羽場久美子〕
あとがき――総括と展望、謝辞
編著者・講演者紹介
前書きなど
はじめに
(…前略…)
そうした成長するアジアと中国韓国との共同の熱い雰囲気の中で、一般財団法人ワンアジア財団からの寄付講座をいただき、青山学院大学で2013年から2016年春にかけ寄付講座の講演授業が行われたのである。
学生たちも時代の子として、まさに冷戦終焉後に生まれ、21世紀の時代の息吹を受けた学生たちが、熱心に集ってきており授業は毎回熱気にあふれていた。
21世紀に入って17年、冷戦終焉後28年、第一次世界大戦終結99年、近年の変化は著しく、世界情勢の転換点に我々は生きているといえよう。
1989年に冷戦が終焉し、東欧の社会主義体制が崩壊、91年にはソ連邦も崩壊して、アメリカの一極集中と、ヨーロッパの統合と拡大による再興により、米欧近代を再現したかのようなユーフォリア(熱狂)が世界に生み出されていた。しかしその熱狂は長く続かず、世紀転換期から21世紀にかけてASEAN・中国の興隆があり世界のあらゆる耳目がアジアに集中した。
『アジアの地域統合を考える』の講座は、そうした時代に、まだ民主党政権の余波がある2013年に始められ、多くの優れた講師のご協力と時の雰囲気により、元首相時は1200人、授業全体で毎回600人の受講生を集めた。2年目3年目も、300人、200人の熱心な学生を集め、優れた講師陣の熱のこもった講演とディスカッションにより、アジアで活躍したいという学生が多く育ち、世界のために活躍したいという学生が巣立っていった。
学生たちも、アジアのために何かしたいという意欲に燃えて参加してくれた。
その感動の息吹を内包した成果が、本書である。
(…後略…)