目次
特集1 社会的養護の子どもの自立支援とアフターケア――児童養護施設・自立援助ホーム・アフターケア機関・学習支援・当事者団体「現場からの報告」
特集にあたって(大森信也:本誌編集委員)
【児童養護施設】児童養護施設における自立支援の標準化――東京都「自立支援強化事業」を通じて(早川悟司:児童養護施設子供の家副施設長/自立支援コーディネーター)
【自立援助ホーム】自立援助ホームで「自立」について考える(星俊彦:自立援助ホーム星の家ホーム長)
【アフターケア機関】社会的養護のもとを巣立った子どもたちの相談所(高橋亜美:アフターケア相談所ゆずりは所長)
【学習(自立)支援】児童養護施設での学習支援の標準化を目指して――子どもたちが自立できる「力」を育む(森山誉恵:3keys代表理事)
【当事者団体が考える支援】
社会的養護当事者だからこそできる支援とは何か(蛯沢光:社会的養護の当事者推進団体「なごやかサポートみらい」会長)
より多くの人たちとつながっていくための当事者活動(塩尻真由美:社会的養護の当事者自助グループ「だいじ家」代表)
【資料◎奨学金一覧】大学等の進学のための奨学金制度について(東京都社会福祉協議会児童部会リービングケア委員会
特集2 児童相談所vs市町村児童家庭相談窓口
特集にあたって(二宮直樹:碧南市教育相談室臨床心理相談員/元・児童相談所職員)
児童福祉法における児童相談所と市町村の関係(佐藤隆司:神奈川県中央児童相談所子ども支援課長)
【北海道】児童相談所+市町村窓口=?(阿部弘美:北海道中央児童相談所児童福祉司)
【茨城県】補足しあえる関係を目指して(小方勝道:茨城県土浦児童相談所児童福祉司)
【東京都】虐待相談における子ども家庭支援センターとの協働(野田忠:東京都小平児童相談所児童福祉司)
【京都府】児童相談所と市町村が手をつないでいくために(篠塚眞澄:京都府福知山児童相談所児童福祉司)
【大阪府】児童家庭相談においてお互いの長所を活かすために(薬師寺順子:大阪府中央子ども家庭センター次長兼虐待対応課長)
【香川県】お互いの強みを活かした連携を目指して(合田真知子:香川県西部子ども相談センター次長)
【福岡県】市町村に求めるもの(野口美和:福岡県久留米児童相談所児童福祉司)
【横浜市】のび太とジャイアン? 対等でない構造的問題(髙岡俊雄:横浜市中央児童相談所児童福祉司)
【新潟市】要対協自治体間異動で見えてきたもの(石橋一:新潟市児童相談所所長補佐)
【金沢市】「児童相談所=市町村児童家庭相談窓口」として目指すもの(生田陽子:金沢市児童相談所児童福祉司)
【千葉県八千代市】お互いさま、そして、心からありがとう(藤山ミツ子:八千代市子ども部元気子ども課子ども相談センター副主幹)
【東京都荒川区】相談機関の二層制の狭間で起きていること(茶谷由紀子:荒川区立子ども家庭支援センター所長)
【京都市】児童相談所との連携について─京都市子ども支援センターの現状と課題(栗山浩子:京都市右京子ども支援センター育児支援活動員)
(連載)
【クローズアップ】
児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進について(武藤素明)
児童養護施設における「小規模化」の現状と課題――「小規模化」は施設間格差を拡大している(黒田邦夫)
【当事者の語り】
過去と現在、未来の夢(坂本さやか)
過去の自分、そしてみらいの自分へ(橋爪勇人)
【現場実践レポート】
地域へ… 市民へ… 一陽のチームワークとネットワーク(橋本達昌)
施設で子どもを支援するということ─医療の連携と養護の課題(熊﨑綾一)
東日本大震災と原発事故からの二年を振り返って(横山秀和)
東日本大震災被災、そのとき児童相談所はどう対応したか(城戸金蔵)
【研究報告】
ひとり親世帯における虐待発生要因の特徴(山野良一)
児童養護施設における子どもと家族の最善の利益に資する職場環境づくり――職員のワーク・ライフ・バランスの視点から(安部慎吾・有村大士・永野咲・山内陽子)
【エッセイ】
「キミの声を聞かせて」(橘ジュン。)
「子ども弁護士」になりたい(安保千秋)
【書評】
『地球を活かす――市民が創る自然エネルギー』(岡出多申)
『施設で育った子どもたちの語り』(安田華子)
『だめよ、デイビッド』(岩井幸祐)
『当事者主権』(坂井加奈子)
『ちいさいひと 青葉児童相談所物語』(石坂陽子)
前書きなど
編集後記(佐藤隆司)
昨年9月1日。新横浜・日産スタジアムの六万五〇〇〇人の老若男女は、矢沢永ちゃんの四〇周年記念コンサート「BLUE SKY」に痺れ捲りました。
♪足りないぜ Ha~Ha
♪乗りがまだ Ha~Ha
矢沢永吉は御年六十二歳(コンサート開催の際の年齢)。約二時間半のパワフルなステージは年齢を超越する異次元空間です。本人の地道な鍛錬に敬服するとともに「あんな年の取り方って素晴らしいな~」と、久し振りにエネルギー充電の一時を過ごしました。
虐待対応のため、現場の児童相談所職員、児童福祉施設職員などは、夜間・休日、自分自身の時間を割くことは少なくありません。精神的な健康維持のため、日常性の非日常性の時間の確保は必要不可欠です。
養問研と児相研の共同編集誌『子どもと福祉』第6号は「社会的養護の子どもの自立支援とアフターケア」と「児童相談所 vs 市町村児童家庭相談窓口」を特集しました。
「社会的養護の子どもの自立支援とアフターケア」は、児童養護施設などの児童福祉施設入所の子どもの大半は、大学進学、住居・携帯電話の契約などと一般家庭の子どもとは異なるハンディを背負わなければなりません。今一度、社会的養護の子どもたちの自立支援は「どんな支援が必要なのか」または「施設を退所する際、どんな事前準備が必要なのか」を再検討します。
「児童相談所vs市町村児童家庭相談窓口」は、児童相談所と市町村児童家庭相談窓口の連携・協働の実情と課題を取り上げます。直接、実務に関わる児童相談所と市町村児童家庭相談窓口の職員の皆さんに機関連携のポイントなどを発信して戴くこととしました。
なお、お馴染のクローズアップ、研究報告、エッセイ、現場実践レポート、書評などと欲張り盛り沢山の一冊に仕上がりました。
(…後略…)