目次
はじめに
第1部 核のゴミのゆくえ
(1)「放射性廃棄物」のゆくえ
・1980年、下川町「高レベル放射性廃棄物問題」
・「核のゴミ(放射性廃棄物)」とは何か?
・「使用済み核燃料」は「原発のウンチ」
・「高レベル放射性廃棄物」とは?
・「低レベル放射性廃棄物」とは?
・もうひとつの「低レベル放射性廃棄物」――原発内の放射能汚染水
・たまりつづける「放射能汚染水」
・3・11以後の「核のゴミ」
・「がれき」のゆくえ
・「がれき」の放射能汚染は大丈夫なの?
・「がれき」は燃やしても大丈夫なの?
・「がれき広域処理」の隠された「本当の理由」
・「がれき」の次にやってくるもの――絆で分かち合いを
(2)核燃料サイクルのゆくえ
・「核燃料」は使っても、また使える?
・使用済み核燃料「再処理」への挑戦
・高速増殖炉「もんじゅ」という「夢」
・「プルトニウム」のゆくえ――プルサーマルという逃げ道
・「プルトニウム」の恐怖
・「夢」ではない現実――「高レベル放射性廃棄物」のゆくえ
・「10万年後の安全」?
・日本での最終処分地はどこに?
・「幌延深地層研究センター」の現在
・核燃料サイクル基地「六ヶ所村」の現在
・原発の「使用済み核燃料プール=おまる」はもうすぐ満杯に?
・「使用済み核燃料」は「再処理」しないほうが安上がりなの?
・なぜ「核燃料サイクル」という「夢」をあきらめられないのか?
・もう「夢見る少女」じゃいられない?
・「核のゴミ=負の遺産」を少しでも減らすことが「大人の責任」
第2部 エネルギーのゆくえ
(1)原発がすべて止まっても大丈夫?
・日本の原発がすべて止まった日
・「再稼働」への条件(1)――ストレス・テスト
・「再稼働」への条件(2)――地元の理解
・はじめから「再稼働ありき」だったの?――「暫定的安全基準」と「首相の判断」
・沸き起こる「再稼働反対」の国民の声
(2)エネルギーの「シフト・チェンジ」へ
・「原発がつくる電気を使わない世界」へ
・「自然(再生可能)エネルギー」の可能性
・地球上のすべてのエネルギーの源「太陽光エネルギー」
・風の力で風車を回して起こす「風力エネルギー」
・究極のリサイクル資源「バイオマス・エネルギー」
・隠れていた4番バッター「地熱発電」
・北海道にも地熱発電所があった!
・森町地熱発電所に、これからの「自然エネルギー」の可能性を見た!
・つなぎのエースとしての「天然ガス・コンバインドサイクル発電」
・21世紀は「シフト・チェンジ」の時代
・環境未来都市・下川町
・「森林」と「知恵」を活かした下川町の「町づくり・町おこし」
・「シフト・チェンジ」への分岐点に立つ私たち
おわりに
ブックガイド
前書きなど
おわりに
この本は、私にとって3冊目の本になりますが、今回は3冊を同時に刊行する予定ですので、ひとつの本の第3章を書き上げたようなものです。もうお気づきの方もおられると思いますが、本来なら、この3冊は、1冊の本として、まとめて刊行すべきものであったかもしれません。しかし、そうすると1冊がものすごく厚くなり、価格も高くなってしまいます。3分冊にしたほうが、読者の皆さんにも、それぞれのテーマへの関心や興味に応じて選んでいただけるし、1冊が薄いほうが、手に取りやすく、読みやすいのではないかと考えました。けれども、著者の希望としては、もちろん3冊すべて、皆さんに手に取っていただき、読んでいただきたいと思っています。
この「原発出前授業(1)(2)(3)」は、私が、2011年5月から始めている、市民に向けての「原発出前授業」で行っている三つのテーマを、それぞれ1冊ずつの本のかたちにしたものです。どのテーマも、私にとっては、とても重要なテーマなのですが、やはり一番皆さんに聞いてほしい、読んでほしいと思っているのは、この3冊目のテーマである「これからのお話」です。もしかすると、1冊目と2冊目のテーマと内容については、私以外の方でも同様の本を書くことができたでしょうし、現にそのような本も数多く出版されています。しかし、今回の「核のゴミ」と「エネルギー」という二つのテーマをつなげて、ひとつのお話として授業をしたり、本にしたのは、私が初めてではないかと思います。書いていた本人にとっても、一番思い入れがあるテーマですし、書きながら、とても面白い本でした。これを読んでくださる皆さんにとっても、その面白さを少しでも感じていただければと思っております。
しかし、この本のテーマそのものは、面白いものというよりは、非常に重たく、私たちがこれから真剣に考え、そして取り組まなければならない重要なテーマであると思っています。皆さんがこの本を読んでくださることによって、「核のゴミ」と「エネルギー」について、真剣に考えていただけるきっかけとなってくれることを願っています。
(…後略…)