目次
特集・社会的養護と心理職の役割
児童養護施設で心理職はどんな役割を果たせるのか——事例および話題提起
●大内雅子
施設心理職の強みとは何か——事例へのコメント
●岡田隆介/広島市こども療育センター
心理職の仕事って何だろう——座談会
●相坂聖子/井出智博/大内雅子/大島剛/岡田隆介/辻亨/中濱美起/司会・菅野道英
施設心理職のこれから——座談会参加者からの声
語りからみえてくるもの——編集委員によるまとめ
●衣斐哲臣/本誌編集委員
特集・援助に役立つ対応のバリエーション
相手との関係性を把握する専門的「勘」を養うために——対応のバリエーション勉強会
●川畑隆/本誌編集委員
広汎性発達障害の子どもの保護者とつながるチャンネル探し——相手とつながる(1)
●高木恵子/洛西愛育園
相談を拒否している保護者や子どもにどうかかわるか——相手とつながる(2)
●佐藤隆司/神奈川県厚木児童相談所
児童福祉施設で子どもたちの主張や行動にどう向き合うのか——ニードをつかむ(1)
●坂井勉/フランシスコの町
保護者の多様化する要求と?思い?に向き合うコミュニケーション術——ニードをつかむ(2)
●小野田正利/大阪大学大学院
子育て支援NPOの?待ちながら自然に横に広がる?対応術——ともに歩む(1)
●工藤充子/NPO法人ほっとスペースゆう
青春期内科の若者とのかかわりのなかで——ともに歩む(2)
●森崇/北九州津屋崎病院青春期内科
連載
「そだちと臨床」現場における相談のコツとツボ(1)
誌上カンファレンス(4)——樹木画データの読み込みから
「家族の構造理論」私風(第4回)——同胞サブシステム●団士郎
行政 up to date(4)
少年法の改正とその課題●安保千秋
社会的養護体制の見直し●徳岡博巳
障害者自立支援法その後 就労編●坂東敏和
Windows of Books No.4——静岡県編
みん&もこのりんしょう談義(4)——お題「療育手帳」
たとえ話で納得! 発達臨床心理学用語講座(3)
日本の児童相談をたどる 第1回・田中島晁子さん
ジェノグラムをとおした家族理解(3)●早樫一男
親・子に役立つ非行相談援助法(2)——先輩児童福祉司の非行相談・実践から学ぶ●渡辺忍
一時保護所論序説(第四回)——一時保護所の研究結果を聞く(その1)●小木曽宏
特別寄稿・AIDで生まれた子どもたちをめぐる問題と子どもの出自を知る権利について●才村眞理
読者の広場
編集後記/次号予告
前書きなど
編集後記
ちょっと、創刊号からこの第4号までの特集記事のタイトルを並べてみます。
「発達相談と援助」「事例研究とプライバシー保護」「告知から始まる援助」「児童虐待対応の最前線」「援助のための見立て」「自立と孤立」「社会的養護と心理職」「対応のバリエーション」。地味にいけてますかね。べつに地味を目ざしているわけではありませんが、地に足をつけてとは思っているもので……。
さて、今回のふたつの特集はいかがでしたか。
「社会的養護と心理職」では座談会を行ないました。そのような企画は、本誌の記事関連では「誌上カンファレンス」や「ジェノグラムをとおした家族理解」などを除いて「事例研究とプライバシー保護」以来でした。私は今回はオブザーバーでしたが、やはり面白いのですね、話をすること、聞くこと、話し合うことが。あまりたいした意味じゃないと思っていたことについて、そうなんだ! と思えるような新鮮な意味が浮かび上がってきたり、バラバラだったものが自然に束ねられていったり、そういう感じがその場に漂っていて、心地よい時間でした。
「対応のバリエーション」では、さまざまな現場の日常のバリエーションを紹介していただきましたが、小さなことを毎日毎日紡いでおられる現場のリアリティが伝わってきたように思います。「対応のバリエーション勉強会」は、これもまた面白いんですよ。事例検討は机の上で詳しい資料を読みながらというのももちろん必要ですが、机を取っ払って身体を動かしてやってみるのもいいものです。
「日本の児童相談をたどる」という連載が新しくスタートしました。インタビュー記事です。小木曽さんの連載もインタビューでした。座談会もあわせて、対人関係の要素を誌面に取り込む形ですが、いろんなものを散りばめながら、現場の仕事をそれ以上でも以下でもなく伝えていくことができればと思っています。
そのための案や工夫をさりげなく提供してくれる明石書店の大野祐子さんとともに、さあ、第5号の企画会議が始まります。