目次
特集 参加型開発と参加型学習
【理論編】
参加型開発と開発教育(田中治彦)
——「参加型の学習」をキーワードとして
参加型学習の系譜(湯本浩之)
——戦後の国際開発における「参加」を手がかりに
パウロ・フレイレと参加型学習(楠原 彰)
参加型開発を問い直す(磯田厚子)
——NGOにおける課題と可能性
学校における教育方法をめぐる一考察(小貫 仁)
——参加型学習の変遷とその課題
【実践編】
・学校編
小学校 プロジェクト学習の取り組み(上野澄子)
——「日本で暮らす外国の人」について考える
小学校 「つながり」を意識させ、本気にさせる総合的な学習(谷口康代)
——子どもの課題から教師のねらい・子ども自身の夢・そして地域の願いへとつなげて
中学校 埼玉県鶴ヶ島市の学校協議会と子どもの参加(越川 求)
高校 みやぎを開発する——大型店がやってくる!?(佐々木達也)
・地域編
国際協力とまちづくり——小値賀町でのPRA研修がもたらしたもの(西川芳昭・吉野あかね)
YMCAウエルネスプログラムから広がった子どもの響生力が社会を変革する(太田直宏)
・海外編
エイズ問題への当事者参加の実現——タイの事例から(西山美希)
ふつうの暮らしの中で展開する、国をまたいだ参加型学習と参加型開発の一例(藤野達也)
研究論文
【投稿】
コロンビア農村部における初等教育開発に関する研究(櫻井美香)
——エスクエラ・ヌエバ・プログラムの効果的実施のための要因研究
戦後日本の新教育運動からの教訓(野村彩子)
——参加型学習の手法の理解から手法のリテラシー向上へ
アマルティア・センのフェアな地球社会の構想(金子 聡)
——基本的ケイパビリティ・市場経済・基礎教育
実践報告
【投稿】
開発NGOにおける子ども参加型の開発(大谷美保)
——プラン・インターナショナルの子どもクラブの事例から
寄稿
アメリカの「対立から学ぶ教育」(中村絵乃)
——子どもが自ら取り組む問題解決
DEAR設立25周年を記念して——データでふりかえるDEARの25年間
2007年度の開発教育協会の活動
研究誌『開発教育』55号 投稿募集
『開発教育』原稿執筆要領
編集後記
『開発教育』誌 バックナンバー
開発教育協会(DEAR)のご紹介
前書きなど
編集後記
開発教育協会(旧称は開発教育協議会)が1982年12月に設立され、今年で25周年を迎えました。この記念すべき年の研究誌の特集テーマは「参加型開発と参加型学習」になりました。「共に生きることのできる公正な地球社会づくりに参加すること」をねらいとする開発教育にとって、まさに「参加」はキーワードです。今号の特集では、まず「理論編」に掲載された5本の論文で、「参加」という視点から開発のあり様を問う「参加型開発」と、「参加」という視点から教育・学習のあり様を問う「参加型学習」のそれぞれの概念及びその両者の関連を描いています。そして、後続の「実践編」の8本の論文で、学校・地域における実践の様子やそこでの課題などを描いています。また、前号より開始した査読制度に基づく投稿論文については、投稿申込が8件、投稿論文が6本でした。これらのうち、数回にわたる査読の結果、4本を掲載することができました。特集原稿を含め、ご執筆・ご投稿いただいた方々、そして査読にご協力いただいた多くの査読委員の方々には、この場を借りて厚くお礼申し上げます。
この研究誌が次の25年を経る頃には、開発教育は、そして日本・世界の教育は、また世界の開発事情は、どのような様相を示しているでしょうか。教育の持つ意味を、実感を持って振り返ることのできるそんな25年にしたいものです。
(山西優二)