目次
第1章 盲導犬〈なぜなに〉編
Column 1年間で盲導犬となる犬は一体何頭?/有名な盲導犬物語「サーブ」について/このマーク、知ってる?/犬猫の処分の現状について
Message 私とアンドリューが出会うまで
第2章 具体的な盲導犬の仕事編
Message 新たな人生を生きる
第3章 盲導犬の日常生活編
Message クリナムとの別れ
第4章 視覚障害者についての基礎知識編
Column 点字ブロックの発祥の地は日本!!
Message 見えない世界を体感するプログラム
第5章 盲導犬の使用希望者編
Column 使用者が病気や高齢で盲導犬と一緒に生活することができなくなったら…?
Message 千葉テレビの番組出演
第6章 繁殖・飼育・リタイヤ編〜盲導犬の誕生から引退まで
Column 海をわたってきた繁殖犬「クエーカー」/盲導犬の周辺にはまだまだこんな問題がある!?
Message アンドリューの生いたち
第7章 盲導犬訓練士になりたい人編〜育成施設と訓練士について
Column 「盲導犬訓練士」とは?
Column アイメイト協会歩行指導員・鈴木裕司さんからのメッセージ
Message 盲導犬の普及と理解を求めて〜「二人五脚」の活動記録 PART1
第8章 盲導犬の歴史と法律編
Column 盲導犬に関する決まりごと
Message 盲導犬の普及と理解を求めて〜「二人五脚」の活動記録 PART2
第9章 そのほかの身体障害者補助犬編〜介助犬・聴導犬
Column 日本第1号認定聴導犬「美音」
Message 身体障害者補助犬法の現状と今後の課題について
前書きなど
はじめに 「えらいわね!!」「あの犬はとても賢いんだよ!!」。私と相棒の盲導犬アンドリューが一緒に町中を歩いていると、いつものように周囲からこんな声が聞こえてきます。「アンドリュー、おまえはそんなに賢かったっけ?」と私はいつも胸の中で彼に話しかけます。そして私の相棒は、ときには尻尾をぶんぶんふりまわしながら自信満々に歩いたり、私の足の下で長々と寝そべりながら、そんな周囲からのほめ言葉になんだか心地いいような、それでいて少しくすぐったいような気もちで耳だけピクピクさせながら、じっと待機しています。 最近、新聞やテレビなどのマスコミで盲導犬や介助犬、聴導犬など、いわゆる「身体障害者補助犬」について大きく取りあげられていますが、必ずしも正しい報道がされず、まちがった知識が普及しているように見受けられます。 盲導犬については、平成13年4月から「社会福祉法」(旧社会福祉事業法から名称変更)の改正により正式に第2種社会福祉事業として認められたほか、平成15年10月からは身体障害者補助犬法が完全施行され、公的施設はもちろん民間の事業所でも盲導犬の受け入れが進みつつあります。また小中学校などでは、平成14年度から総合的な学習の時間がはじまり、福祉やボランティア活動についての関心も高いようです。 私は、千葉県庁に勤めるかたわら、盲導犬を普及させる会のアドバイザーとして、各地の小中学校やボランティア講習会などで盲導犬や視覚障害者の生活についてご紹介するための講話の活動をしていますが、そんな中、盲導犬の現状についてまとめた参考書的な本が少ないのに気がつきました。そこで平成14年5月に『盲導犬ハンドブック』(文藝春秋)と、同年11月には絵本の『盲導犬アンドリューの一日』(鈴木びんこ絵、ポトス出版)をあいついで出版いたしました。しかしその後も盲導犬についてのご質問が多く、さらに盲導犬の現状についてわかりやすくご紹介すべく本書をまとめました。 最近『盲導犬クイールの一生』(文藝春秋)がベストセラーとなり、ドラマ化や映画化されたこともあって、盲導犬への関心はますます高まっているように感じています。けれども、現在多く出版されている盲導犬関係の書籍は圧倒的に盲導犬との体験談が多く、盲導犬理解にはつながらないように感じています。そこで、肩がこらずに読めながらも、盲導犬についての正しい知識や社会的な状況について、ひとりでも多くの方に理解いただけるようにと願ったのです。 本書では、毎日のようにみなさんから多くよせられる盲導犬に関する質問とその回答について、Q&A形式でご紹介しています。とくに私が学校などで行った講話の会や、私がアドバイザーをつとめている「盲導犬を普及させる会」のホームページ上によせられる質問ばかりです。なお、ここでひとつおことわりを申し上げておきたいのですが、現在、日本には全国に9法人10施設の盲導犬育成施設があり、育成施設により訓練方法や考え方など多少の違いがあるのが現状です。そこで本書では筆者が卒業した「財団法人アイメイト協会」を中心に、できるかぎり、ほかの盲導犬育成施設の情報ももりこみながら解説を進めていきたいと思います。 本書を通して、より多くの方に「盲導犬」について正しく理解を深めていただき、あわせてその使用者でもある、視覚障害者についてもご理解いただければ幸いです。そして盲導犬が働きやすい社会実現のため、ご支援とご協力をしていただければ幸せです。平成16年 7月 著者