目次
読者の皆さんに
序文
第1章 日帝の朝鮮侵略開始
第1節 日本における「征韓論」の台頭とその侵略的本質
1 「征韓論」とその本質
2 「征韓時期尚早論」とその黒幕
第2節 「雲揚」号事件の挑発
1 「雲揚」号事件挑発前夜の朝・日関係
2 「雲揚」号事件の挑発とその真相
第3節 「江華島条約」の強要とその侵略的本質
1 朝鮮に不平等条約を強要するための準備策動
2 「江華島条約」の強要
3 「江華島条約」の侵略的性格
第2章 強制開港と諸般の権利強奪、「済物浦条約」の強要
第1節 強制開港と諸般の権利強奪
1 「江華島条約付録」と「日本人貿易規則」の強要
2 豆毛鎮税関の閉鎖と七箇条の利権強奪
3 元山と仁川の強制開港
4 日本公使の強制駐在
第2節 一八八二年軍人暴動に対する日帝の敵対的策動、「済物浦条約」及び「江華島条約続約」の強要
1 「江華島条約」以後、朝鮮での民族的及び階級的矛盾の尖鋭化
2 一八八二年軍人暴動に対する日帝の敵対的策動
3 「済物浦条約」及び「江華島条約続約」の強要
第3章 一八八四年ブルジョア改革の妨害、「漢城条約」の強要と経済的略奪政策
第1節 一八八四年ブルジョア改革を抹殺しようとする日本侵略者の策動
1 改革派に対する日本侵略者の二重政策
2 一八八四年ブルジョア改革(甲申政変)における日帝の背信行為
第2節 日本侵略者による「漢城条約」の強要
第3節 「漢城条約」の強要後、朝鮮に対する経済侵略策動
1 貿易と商業活動を通じた略奪
2 水産資源の略奪
3 鉱山利権の奪取
4 通信利権の奪取
第4章 朝鮮を独占的植民地に作り上げるための日帝侵略者の策動
第1節 一八九四年、朝鮮に対する日帝の武力侵攻と内政干渉
1 一八九四年、朝鮮に対する日帝の武力侵攻
2 日帝侵略者の内政干渉
3 日帝侵略者の王宮侵入
4 日清戦争の挑発と「暫定合同条款」及び「朝日同盟条約」の強要
第2節 甲午農民戦争と「甲午改革」に対する日帝の圧殺策動
1 日帝の甲午農民戦争の弾圧
2 日帝の「甲午改革」の妨害
第3節 日帝の王后(閔妃)虐殺
1 王后(閔妃)を虐殺するための陰謀
2 王后(閔妃)虐殺蛮行の真相
第4節 一八九四年武力侵攻後の朝鮮に対する経済侵略
1 朝鮮を独占的商品市場として隷属させるための策動
2 農産資源と金の略奪
3 鉄道敷設権強奪
4 漁業利権の侵害と水産資源略奪
5 財政金融の掌握
第5節 日帝の日露戦争挑発と朝鮮占領策動の露骨化
1 日帝の日露戦争の挑発とその目的
2 「韓・日議定書」と「韓・日協定書」の強要
3 「顧問政治」の強要
4 「一進会」の組織とその売国的策動
5 日露戦争時における日帝の国土蹂躙と戦争負担の強要
6 日露戦争時における日帝の朝鮮侵略を煽った米帝の犯罪的行為
第6節 日露戦争時における朝鮮の経済利権強奪
1 「荒蕪地開墾」策動
2 各種の経済利権の強奪
第7節 「乙巳五条約」(保護条約)の捏造とその不法無効性
1 「乙巳五条約」(保護条約)の捏造
2 「乙巳五条約」(保護条約)の不法無効性
訳者あとがき
前書きなど
読者の皆さんに この本は、朝鮮民主主義人民共和国社会科学院の歴史学者・朴得俊らが著した『日本帝国主義の朝鮮侵略史一八六八—一九〇五(征韓論台頭から乙巳五条約(保護条約)捏造まで)』を日本語に翻訳したものであります。 日本では、朝鮮の学者が執筆した書籍があまりにも紹介されておらず、その上、昨今の〈北朝鮮バッシング〉の中で朝鮮の姿がゆがめられて報道されています。また歴史的な『朝・日平壌宣言』では、日本の朝鮮植民地支配の清算が基本となっているのにもかかわらず、この問題を曖昧にして誠実に対応しようとしていません。本書は、日本の朝鮮侵略がどのような歴史的過程を経て行われたのかを明らかにしています。 私は浅学非才の身でありますが、日本の朝鮮侵略の実態を多くの人々に知ってもらうためにこの本の翻訳を始めました。 本書で「日帝」としているのは、「日本帝国主義」を略したもので「米帝」も同じく「米国帝国主義」を略したものであります。一般的に当時の朝鮮政府を「李朝朝鮮」と称していますが、それは正式国名ではないので、ここでは「朝鮮封建政府」としました。引用文の朝鮮王朝時代の記録や、明治時代の記録等を理解しやすいように私の責任で現代文にしました。そして朝鮮の官職など日本に馴染みのないものは、注釈で説明しております。