目次
はじめに
1章 「ファミリー子育て何でもダイヤル」とは
2章 今、子育て家庭は……
1 若葉マークの子育て
2 幼稚園をめぐって
3 学校とのつきあいに悩んでしまう
4 人間関係はむずかしい
5 子どもの成長、発達が気になる
6 「性」の話って、なかなか口に出せない
7 子育てと就労との両立
8 子育てって「ジェンダー」問題
9 「わたし」の気持ちを受けとめて
3章 座談会 一回一回、大切な出会い
4章 電話による対話
あとがき
子ども情報研究センターへのお誘い
前書きなど
今、いろんな「電話相談」があります。私たちの「ファミリー子育て何でもダイヤル」も、そのうちの一つとして、必要としてくださる方のお役に立てればと思って続けてきました。 私たちは、「電話相談」を受けるための研修を重ねてきましたが、いわゆる「専門家」ではありません。市民スタッフとして、電話を使って対話をしてきました。実際自分が受けた一本の電話が果たしてどうだったのか、あれでよかったのかと迷ったり、悩んだりもし、ときには「うまくいかなかった」と落ち込んだり、自分はまだまだダメなんだと無力感に陥ったりもします。電話をかけてきてくださった方の気持ちに寄り添える言葉が自分のなかに見つけられなくて、情けなく思ったこともあるし、いまだに、受話器をとるときは緊張します。それでも続けてきたのは、支えあう仲間がいるからだと思います。孤立したり、ひとりで抱えこんでいたら、続けていく自信や気力が萎えていたかもしれません。相談ケースのことだけでなく、「私のしんどさ」を仲間に聴いてもらい、まるごと受けとめられることで、元気もやる気も出て、失いかけていた自信も回復します。電話でしんどさを訴えてこられる方の気持ちに寄り添いたいと思えるのは、私たち自身が仲間に支えられる経験をしているからではないかと思うのです。 スタッフミーティングや研修会等で、「ひとりひとり感じ方や価値観は違うから、対話の仕方も違って当たり前。それなのに〈スキル〉だけにこだわったり、〈人の目〉や〈評価〉を気にしていると、せっかくの対話がぎこちなくなって、相手の話を充分に聴ききれないのではないか。基本的な部分では共通認識をもちながらも、それぞれの〈違い〉を認めあい、それぞれがもつ〈力〉を信じ、自分が受けとめられた心地よさを返すことができればいいのではないか」などと話しあってきました。そういうことをまとめてみました。 1章は、「ファミリー子育て何でもダイヤル」の仕組みについてまとめました。2章は、これまで聴かせていただいたお母さんたちの声をまとめたものです。プライバシーを守るため、最終的には私たちが作話したものですが、テーマは、具体的な声に基づいて分類しました。なお、私たちの受け方を伝えるため、電話の場面としてまとめています。3章は、スタッフの座談会から、受け手の思いをまとめたものです。4章は、私たちの現時点の「電話相談論」です。 本書を手にとってくださった皆さま、ぜひ、ご意見、ご感想をお寄せください。読み手の皆さまとまた新しいつながりができることを期待しています。はじめに