目次
はじめに 〈よい再エネ〉を考える 【丸山康司】
1 再生可能エネルギーと社会的摩擦
2 「被害」の複雑さと規制の難しさ
3 複雑な問題を複雑に解決する方法
4 〈よい再エネ〉の必要性
5 本書の構成
第1部 〈よい再エネ〉事業を定義する
第1章 再生可能エネルギーの地域経済効果──地場産業化に向けた道筋【山下英俊】
1 地域経済効果の理論
2 地域経済効果の実際─売電収入額の試算
3 地域経済効果の実際─半農半エネ事業の地域付加価値創造額
4 地域経済効果を高めるために
コラム❶ 〝でんき〟を選んで未来を変えよう! パワーシフト・キャンペーン 【吉田明子】
第2章 よい再生可能エネルギーに向けたローカル・ガバナンス──地域社会とのシナジーと社会的価値を生むために 【西城戸誠】
1 なぜ、地域社会とのシナジーを生む再生可能エネルギー事業が必要なのか
2 「地産地消」の再エネ事業─長崎県五島市の事例
3 「都市─地方連携」による再エネ事業─秋田県にかほ市の事例
4 再エネ事業による共有価値の創造のためのローカル・ガバナンス
コラム❷ 「生活クラブのエネルギー政策」と再生可能エネルギーを用具とした地域づくりの推進 【半澤彰浩】
第3章 生物多様性に貢献する自然共生型太陽光・風力──「環境vs 環境」 のトレードオフを越える 【山下紀明】
1 太陽光・風力発電と生物多様性
2 生物多様性に貢献する太陽光・風力の海外事例
3 国内での取り組み
4 両立のための社会的仕組み
5 これから取り組むべき方策
コラム❸ 地域と共生する発電所づくり 【岩垂麻理絵】
第2部 〈よい再エネ〉を拡げる社会の仕組み
第4章 再生可能エネルギー中間支援組織 【古屋将太】
1 なぜ中間支援組織が必要なのか
2 中間支援組織にはどういった機能と人材が必要なのか
3 自然保護とエネルギー転換のための専門センター
4 チューリンゲン・エネルギー・グリーンテック機構
5 日本における再エネ中間支援組織の検討
第5章 コミュニティ・ベネフィットを創出する再エネ事業──スコットランドの中間支援組織の事例から 【平春来里】
1 身近な再エネ問題と解決の難しさ
2 中間支援組織とは何か
3 再エネ導入における中間支援の必要性とその機能
4 中間支援の実践例
5 複数の「中間」をつなぎあわせる
コラム❹ 対立状態を前提とした意思決定は可能か──選好ではなく抵抗による決定 【平春来里】
第6章 行政主導による地域共生型の風力発電ゾーニング──市町村の区域設定を支援する熊本県の伴走型事例 【本巣芽美】
1 再生可能エネルギー事業における行政の役割の現状
2 ゾーニング事業の背景
3 熊本県地域共生型陸上風力立地ゾーニングの進め方
4 熊本県ゾーニング事業の特徴
5 ゾーニング事業の課題
6 行政が担う中間支援組織としての役割
コラム❺ ますます重要になる自治体の役割──宮津市の事例から 【稲垣憲治】
第7章 認証と市場メカニズム──自然資源管理の歴史とその役割 【大元鈴子】
1 ボランタリーな環境認証制度のはじまり
2 ソフトローの必要性と有効性
3 認証の必須要件──審査体制と認証の範囲
4 市場メカニズムを利用した再エネの認証制度の検討──課題と可能性
コラム❻ 再生可能エネルギー証書 【本巣芽美】
コラム❼ 「顔の見える電力」サービスを通じた地域共生型再生可能エネルギーの促進 【真野秀太】
第8章 ドイツ公正風力エネルギー証書──社会的公正と参加を促進するチューリンゲン州の試み 【クリスティアン・ドート】
1 ドイツの再生可能エネルギーの現状
2 チューリンゲン州のエネルギー転換に向けた動き
3 チューリンゲン州の風力エネルギー・サービスセンター
4 公正風力エネルギー証書
5 公正風力エネルギー証書の日本への応用
コラム❽ JWPAの社会受容性の課題への取り組みや環境・社会行動計画の策定 【小笠原憲人】
第9章 再生可能エネルギーのコミュニティ的受容のルールを形成する──長野県地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例を例として 【田中信一郎】
1 地上設置型太陽光発電施設のトラブル
2 先行七県条例の課題
3 長野県条例の特徴
4 長野県条例への知見の反映
5 残された課題──認証制度の必要性
編者あとがき 【丸山康司・本巣芽美】
文献一覧
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