目次
                    はじめに(鈴木 玲)
第1部 環境運動,住民運動との接点
第1章 「問うこと」から「応答すること」へ──労働運動はいかにして合成洗剤問題に関与したか(大門信也,関西大学准教授)
 はじめに
 1 本章の視角
 2 合成洗剤問題の展開
 3 廃食油粉せっけん運動の論理──資本からの自律
 4 合成洗剤問題が労働運動にもたらした問いと応答
 おわりに
第2章 住民運動としての公害反対運動と労働運動──公害防止倉敷市民協議会と水島地区労を事例として(江頭説子,杏林大学講師)
 はじめに
 1 水島地域の公害問題と公害防止倉敷市民協議会の結成
 2 水島コンビナートの形成と労働組合の組織化
 3 水島地区労と公害市民協の協働
 4 水島地区労の変容と公害市民協からの脱退
 おわりに
第2部 職場環境と職業病への取り組み
第3章 日本の労働組合の職業病・職業がん問題への取り組み──3つの職業病闘争の事例に基づいた考察(鈴木 玲)
 はじめに
 1 経営者の組合攻撃のなかでの昭和電極労組の職業病闘争,職業病裁判
 2 組合内の少数派活動家が主導した八幡製鉄所のコークス工場の職業がん闘争
 3 塩ビモノマーの発がん性の発覚と全三井東圧化学労組と新日窒労組の取り組み
 おわりに
第4章 韓国ハイテク産業における職業病と労働者の健康をめぐる社会運動──「半導体労働者の健康と人権を守る会(パノリム)」の取り組みを中心に(金美珍,大原社会問題研究所客員研究員)
 はじめに
 1 韓国における「業務上疾病」の認定過程と半導体産業の被災者が抱える困難
 2 「半導体労働者の健康と人権を守る会(パノリム)」の概要
 3 半導体産業における労働災害の認定と社会的対話
 4 労働者の「知る権利」をめぐる取り組み
 おわりに
第5章 労働運動の職場環境への取り組みとその限界──労働環境主義を志向した北米の労働組合の事例に基づいて(鈴木 玲)
 はじめに
 1 「労働者階級の環境主義」=労働環境主義とは何か
 2 有害物質,健康被害についての情報の労使間の不均衡
 3 労働者やローカル組合の職場環境問題へのアンビバレントな態度
 おわりに
第3部 政治・政策アリーナにおける対応
第6章 政党はどのような公害観を持っていたか──55年体制から1970年代初頭までを対象として(友澤悠季,長崎大学准教授)
 はじめに
 1 各政党史における公害の扱い
 2 「安保」に代わる争点としての公害
 3 自主講座公害原論にみる各政党の姿勢
 4 対抗軸は存在したのか──社会党・共産党パンフレットから
 おわりに
第7章 1970年代における自動車排気ガス規制の再検討──雇用喪失をめぐる議論をてがかりに(喜多川 進,山梨大学准教授)
 はじめに
 1 1970年代における自動車排気ガス規制の展開
 2 自動車排気ガス規制による雇用喪失説の概要
 3 自動車排気ガス規制による雇用喪失説の検討
 4 環境政策による雇用喪失説は終わったのか
 5 自動車排気ガス規制達成後に残された課題
 おわりに
第8章 労働組合運動と原子力発電──豪州のウラン採掘・輸出と労働組合の対応(長峰登記夫,法政大学教授)
 はじめに
 1 イギリスの核実験から始まったオーストラリアのウラン,原子力問題
 2 環境保護運動,核実験およびウランの採掘・輸出反対運動
 3 政治と環境(労働党のウラン・原発政策を中心に)
 4 労働組合とウランの採掘・輸出および原子力発電
 5 ウランに対する国民意識の時代的な変化
 おわりに