目次
序 与えるモノ、売るモノ、与えるのも売るのも駄目で、手放せないモノ
I モースの遺贈
1章 名著の輝きとその影
名声の単純な理由──三つの義務の連鎖としての全体的で強力な贈与観
贈与、二重の関係
贈与の謎とモースによる解明
先住民に騙されたモース──レヴィ = ストロースの批判
レヴィ = ストロースによるモース批判の回顧
レヴィ = ストロースによる謎解き──《浮遊する意味するもの》
言語のビッグパンと社会の象徴的起源
レヴィ = ストロースの公準──想像に対する象徴の優位性
第四の義務の忘却(神々や神々を代表する人間への人々の贈与)
忘れられたモース
与えることのできるモノと保持すべきもの(アネット・ワイナーと贈与の逆説)
社会の二重の基礎
補完的で、別の道を通ってのモース批判
非競覇的な贈与と反対贈与例の短い分析
与えられたとたんの返報(ばかげた贈与はあるか)
モノのハウは本当に秘密を解く鍵か
ポトラッチ、モースを魅了したこの贈与
クラ(モースによるメラネシアのポトラッチ例)
モカ
モノはわけもなく単独で移動しない
II 人間と神々の代替 = 物
2章 ニューギニア・パルヤ族での聖物、貴重物、物 = 貨幣
バルヤ族で保持されるモノ
バルヤ族の神話的祖先への太陽、月ないし霊の贈り物としての聖物
聖物は象徴なのか
聖物の内に隠されているもの
男による笛の盗み
崇高について
贈与ないし交換のためにパルヤ族が生産するモノ
パルヤ族の貝殻の首飾りと《価値》物
友人間の贈与
パルヤ族が保持し、与え、交換するモノの概観
3章 ポトラッチ社会の出現と発展の仮説
歴史におけるポトラッチ社会の位置
貴重物とは何か
交易物の贈与物ないし聖物への変身
III 聖なるもの
聖なるものとは何か
人間と社会の現在 = 不在としての聖物
人間の社会生活を可能にする抑圧されたモノ
起源以来、神々、霊、人聞が相互にしてきた不平等な贈与
社会科学の批判的機能について
IV 魔法の解けた贈与
時の流れの中に個人や社会のアイデンティティを固定するのに必要な係留点について
市場社会で市場を超えて位置するものについて
贈与の復帰と謎の移動
原註
訳記
参考文献