目次
まえがき
凡 例
第一部
第一章 主要な着想(一)
二人称的理由/論理的関係と人称的関係/二人称的概念の還元不可能な円環/ストローソンの論点/権利/理由を二人称的に宛てることの諸前提/フィヒテの論点/プーフェンドルフの論点
第二章 主要な着想(二)
道徳的義務がもつとされている規範性/道徳的義務の範囲/道徳的義務を立証する──カント的プロジェクト/定言命法の二人称的解釈/契約主義の基礎
第三章 二人称的構えと二人称的理由
共感とアダム・スミスの交換論/強いることと導くこと/言語行為と適切性の条件/信念の理由を宛てること/二人称的な実践的理由を宛てること/二人称的理由、責任、尊敬
第二部
第四章 責任と二人称
誰かに何かを宛てることの一種としての反応的応答/二人称的な能力と権威を前提とすること/(人としての)相手の振舞いに応答すること/(少なくとも部分的に)人に対する尊敬をもつこと/(少なくとも見たところでは)無道徳的な事例/尊敬、尊厳、反応的制裁/責任、自由、中心的ではない事例
第五章 道徳的義務と責任
責任と道徳的義務のメタ倫理学/道徳的義務の二人称性を明示的にする/道徳の規範性と二人称的理由/平等な責任としての道徳/近代初期の自然法における責任と二人称的理由/道徳的義務に関するスアレスの見解/道徳的義務に関するプーフェンドルフの見解/責任、道徳的理由、二人称的観点/二人称的なものとしての定言命法と黄金律
第六章 尊敬と二人称
態度と対象/評価としての尊敬と認知としての尊敬との対比/尊敬とケアの対比/尊敬に関するカントの見解/自惚れと道徳──スターリンの事例/二人称的なものとしての尊敬/礼儀作法、名誉、公共空間/尊厳はどこから来るか
第三部
第七章 カントにおける道徳と自律
道徳・自律の正当性を立証する必要性/カントの行為論/『基礎づけ』第三章における道徳・自律の立証/『基礎づけ』のその他の議論/理性の事実/理性の事実──二人称的な解釈
第八章 尊厳と二人称──フィヒテの主題による変奏
序奏──材料を集める/フィヒテの分析──要求を二人称的に宛てることと自由な実践理性/フィヒテの分析──行為主体性を定立することと二人称的理由/フィヒテの論点──法・権利の原理と平等な尊厳/反論──奴隷制/主張を定式化する
第九章 自由と実践理性
規範性と未決の問い──信念と真理/規範性と未決の問い──行為、欲求、結果の価値/自由な行為主体性と二人称的観点/実践理性のメタ倫理学──認識的理論と構成主義的理論の対比/構成主義と二人称的観点/認識的理論と二人称的観点
第十章 契約主義の基礎
契約主義のさまざまな種類/契約主義と定言命法/契約主義における理性的な受け入れと道理にかなった却下の基礎/契約主義と規則帰結主義/公共性の役割と原則/道理にかなったものを立証する
監訳者解説(寺田俊郎)
監訳者あとがき
引用文献
索 引