ゆっくりさんさんのコメント 2020/01/14
町を作る、それも傾城の町という困難な道に真っすぐ進んでいく夫と、それを追う妻とその家族の生涯の話です。読み終えた後は「凄い」と呟いてしまいました。有名な吉原の桜のずっと前の話ですが、不夜城のごとき町の情景が壮大に浮かんでくるようです。吉原の夜店が禁止されている期間があったことは知っていましたが、吉原側からみると幕府のなんと理不尽な言い分かと。立場が変われば同じ出来事も違って見えるんだと、改めて本の面白さを実感できました。吉原には興味があったのですが、なかなか読みやすいものがなかったのですが、これは読んでよかったと思えます。苦界でいきる人たちの誇りと心意気が気持ちよく、どんどん引き込まれていきます。更に吉原について知りたくなりました。