目次
第1章 観測誤差とその性質
1-1 観測と誤差
1-2 偶然誤差
1-3 誤差伝播の法則
演習問題
第2章 最小二乗法による観測値の調整
2-1 最小二乗法
2-2 1つの量の直接観測
2-3 間接観測
2-4 条件付き直接観測
2-5 最小二乗法の利用される世界
演習問題
第3章 地球の形と位置の表わし方
3-1 緯度と経度
3-2 平面座標系
3-3 高さ
3-4 日本の測量体系
演習問題
第4章 地上における距離測量と角測量
4-1 距離
4-2 鋼巻尺による距離測量
4-3 電磁波測距儀による距離測定
4-4 角の定義と単位
4-5 セオドライト(トータルステーションの測角部)
4-6 角の測定
4-7 水平角の観測
4-8 水平角観測の誤差
4-9 鉛直角の観測
4-10 偏心観測(角観測)
4-11 スタジア測量
4-12 トータルステーション(電子式測距測角儀)
演習問題
第5章 平面基準点測量(1)?トラバース測量と図形調整法
5-1 地球作成作業と基準点測量
5-2 トラバース測量(多角測量)
5-3 トラバース測量作業の流れと計算例
5-4 トラバース1路線の調整計算(第二次調整)
5-5 トラバース網の近似調整
5-6 公共測量における多角測量(トラバース測量)
演習問題
第6章 平面基準点測量(2)?三角測量と図形調整法
6-1 交会法
6-2 三角測量の基本事項
6-3 単列三角鎖の誤差
6-4 三角網の図形調整法[条件方程式法]
6-5 単列三角鎖の調整
演習問題
第7章 水準測量
7-1 目的と等級
7-2 直接水準測量に用いる械器
7-3 直接水準測量の方法
7-4 直接水準測量誤差の現われ方と調整法
7-5 直接水準測量網の調整
7-6 間接水準測量
7-7 水準測量の応用
演習問題
第8章 座標調整法と基準点測量
8-1 座標調整法[観測方程式法]
8-2 線形残差方程式
8-3 公共測量における基準点測量
演習問題
第9章 GNSS測量
9-1 衛星測位の原理
9-2 GNSS測量の分類
9-3 GNSS測量による位置の決定
演習問題
第10章 平板測量と地形図・地理情報システム
10-1 平板測量の原理・目的・器具
10-2 平板測量の方法
10-3 平板測量の誤差
10-4 平板測量の精度と特徴
10-5 地形図と国土数値情報
10-6 地形測量
10-7 地理情報システム(GIS)
演習問題
第11章 写真測量
11-1 測量用カメラと写真の標定要素
11-2 三次元座標測定の原理
11-3 求めた座標地の基本的特徴
11-4 実物座標決定の基礎式
11-5 写真の外部標定
11-6 実体視と実体測定
11-7 地形図作成のための空中写真測量
11-8 レーザーによる地形・地物の測量
演習問題
第12章 写真判読とリモートセンシング
12-1 写真判読
12-2 リモートセンシングの概要
12-3 センサーとプラットフォーム
12-4 衛星画像の処理と利用
演習問題
第13章 応用測量(1)?施工測量と機器・トンネル測量・地籍測量
13-1 最近の施工測量用機器
13-2 施工測量
13-3 トンネル測量
13-4 地籍測量と面積の測定・分割
演習問題
第14章 応用測量(2)?路線測量および水工測量
14-1 路線測量の概要
14-2 路線の形を決める条件
14-3 路線の設置
14-4 河川測量の概要
14-5 水位および流量の観測
14-6 海岸・港湾測量
演習問題
付 表
参考文献
索 引
執筆者紹介
前書きなど
土木工学(Civil Engineering)はすべての工学の源泉であり,人間社会と自然環境との接点に関し,最先端の学識・技術を駆使して社会基盤施設を計画,調査,設計,建設,維持管理し,人類の福祉と環境の増進に寄与することを目的とするものである。
具体的にはわれわれの生活や国の発展を支えている鉄道,港湾,河川改修,海岸保全,ダム,道路,橋梁,トンネルなどの広範な社会基盤施設や,上水,下水,住宅開発など種々な都市基盤施設などの多くの構造物は土木の関与により建設,管理されている。
このように,土木工学は単に建設技術に留まらず,国土計画,国土管理のほぼ全般を網羅しているといえよう。
大学や高専の土木教育のカリキュラムでは,各分野に共通な土木工学の基礎科目の習得は将来の専門分野の如何にかかわらず,必須のものである。このため専門課程の当初において重点的に配当,教授されている。その後に前述のそれぞれの専門分野に関する講義をうけ,また応用能力の育成のため演習,実習を履修する。
このようにして初めて従来の工学的力学系を核とし,社会システム系を新しい構成柱とする21世紀の土木技術を修得した者となりうるのである。
最近の土木工学の飛躍的拡充と発展にともない教育現場においてもこれに呼応した的確な対応,特に基礎理論を十分に理解した上で,応用能力をもった技術者の育成が切望されている。
本シリーズでは上記のような認識のもとに,第1期計画として土木工学の基礎科目として地盤力学,水工学,構造力学,コンクリート工学,測量学をとりあげ,基本的かつ常識的事項の修得に主眼を置き,演習書の体裁をとり,演習課題をあげ,その解説記述を通じ学習者の興味,探求心,自身を会得してもらうよう企画した。
このため各専門分野ですぐれた行政を挙げられ,かつ永年の教育経験を有していられる先生方にお願いし,それぞれのテーマごとに編著者となっていただいた。かくして平易な記述の中に新しいパラダイムをもつ教科書となるよう意図したものであり,これらが学習者諸君のこの上もない学習上の伴侶となりうることを心から願うものである。
京都大学名誉教授
工博 岡田 清