目次
はじめに
序章 形而上学とは何か
この章で論じること/形而上学の主題―世界の基本秩序へ/いくつかの基本秩序/形而上学の方法--モデルづくりを中心に/還元的モデルと非還元的モデル/世界の見取り図のなかに私たちを描き込む/本書の構成
コラム 「形而上学」の語源
第1章 性質と類似性
ものは性質をもち、互いに類似する/性質をめぐる問い/性質の重要性/客観的な性質と非客観的な性質/非客観的性質の諸相/客観的性質をもつということ/性質とは何か①??普遍者実在論/普遍者と時空世界の問題/唯名論の基本方針/性質とは何か②――類似性唯名論/いくつかの懸念/性質とは何か③――トロープ唯名論/まとめと関連トピック
第2章 因果
因果の本質とは何か/なぜこの問いが重要か/議論の方法に関する注意/近接性と先行性/因果の本質は何か①――規則性説/因果の本質は何か②――反事実条件説/反事実条件説はどのくらい有望か/因果の本質は何か③――確率上昇説/確率上昇説はどのくらい有望か/これまでの暗黙の前提を問いなおす/多元主義と原初主義/まとめと関連トピック
コラム 必要条件・十分条件・必要十分条件
第3章 部分と全体
部分と全体の遍在性/全体は部分の総和以上のものか/問いを明確化する/還元主義と非還元主義/非還元主義の支持理由①――全体がもつ「新奇」な性質/還元主義からの応答――機能的還元/非還元主義の支持理由②――意識/性質の多重実現/非還元主義の支持理由③――新たな関係秩序のなかでの存在/還元主義からの応答――多重実現の実在をめぐって/非還元主義の支持理由④――下向きの規定関係(下向き因果)/まとめと関連トピック
第4章 「もの」と「こと」
「物」の存在感/モノが先か、コトが先か/モノの一般的特徴/モノ主義とはどのような見方か/事態ベースのコト主義(事態主義)/事態が存在すると考えるべき理由/事態は(存在するとすれば)基礎的だと考えるべき理由/モノ主義からありうる応答/プロセス主義/プロセス主義の支持理由①――生物/プロセス主義の支持理由②――素粒子/モノ主義からありうる応答①――生物に関して/モノ主義からありうる応答②――素粒子に関して/まとめと関連トピック
第5章 時間と様相
無によって支えられる実在/時間と様相の形而上学/さまざまな可能性/可能世界という概念/他の様相概念/可能世界とは何か①――可能主義/可能主義への批判/可能世界とは何か②――現実主義(代用主義)/循環の問題/時間についての問い、二種類の時間的特徴/さしあたりの説明/さらなる課題/時間的世界のモデル①――B理論/B理論は時間のモデルとして十分か/時間的世界のモデル②――A理論/A理論の課題/マクタガートと観念論/まとめと関連トピック
第6章 人の同一性
人が同一であり続けるとはどういうことか/身体の連続性/身体とは何か/身体説への異論/こんな議論ありなの?/心理的な連続性/身体説と心理説の対照的な人間観/心理説への異論/他の選択肢――ハイブリッド説/概念工学という考え方/「人」の概念工学/まとめと関連トピック
第7章 自由
自由な行為者としての私たち/自由は実在するか/自由テーゼ/近代以降の決定論/リベットの実験/リベット実験は自由な行為の非存在を「証明」したのか/自由懐疑論証/自由テーゼを手放すことはできるか/自由意志論(リバタリアニズム)/両立論①――余地両立論(古典的両立論)/別のタイプの両立論に向けて―フランクファート型事例/両立論②――源泉両立論/自由なき世界はそこまで悪いものか――強硬な決定論(自由懐疑論)/自由なき世界のゆくえ/まとめと関連トピック
さらに学びたい人のための文献案内
あとがき
索引