紹介
戦国時代の終焉で、劇的な経済発展をした江戸時代。それを支える労働も多様になった。現代の働き方にも結びつくその変化を通して、江戸時代を捉えなおす。
現代の働き方、江戸に始まる
▼武士もダブルワークで才能開花
▼武家奉公人は人材派遣で
▼自立?嫁入り修行?武家屋敷に雇われ働く女性たち
▼余業で稼いだ金銭で年貢を納める百姓たち
(概要)
常に変化を求められながら、同時に変わらなさもあると感じる私たちの働き方。そもそも現代日本人の働き方の源流はどこにあるのだろうか。明治時代、産業革命以降の資本主義の流れのなかで形成されていったと見る向きもあるが、戦国時代の戦乱から解放され、おおいなる社会的・経済的発展や貨幣制度の成熟を背景に、多様化・細分化していった、江戸時代の労働事情が、その源にあると本書では考える。当時の社会を形作ったあらゆる階層の働き方を丁寧に掘り起こしながら、仕事を軸に江戸時代を捉えなおす。
目次
第一章 「働き方」と貨幣制度
第二章 武家社会の階層構造と武士の「仕事」
第三章 旗本・御家人の「給与」生活
第四章 「雇用労働」者としての武家奉公人
第五章 専門知識をもつ武士たちの「非正規」登用
第六章 役所で働く武士の「勤務条件」
第七章 町人の「働き方」さまざま
第八章 「史料」に見る江戸の雇用労働者の実態
第九章 大店の奉公人の厳しい労働環境
第一〇章 雇われて働く女性たち
第一一章 雇用労働者をめぐる法制度
第一二章 百姓の働き方と「稼ぐ力」
第一三章 輸送・土木分野の賃銭労働
第一四章 漁業・鉱山業における働き手確保をめぐって