紹介
デジタル社会のハードコアを捉えた衝撃作
ネット空間を制御する論理=プロトコルは、いまや現実世界をも深く貫いている。その作動方式を技術面から精緻に捉え、大胆に概念化することで、現代社会論、権力論、メディア論など人文諸学を全面的に更新した、新時代のマグナム・オーパス。『〈帝国〉』論を過去のものにし、『資本論』を生命論として読み替え、アート論にまで飛翔する、思想界を掻き立てる鬼才が20代で著した話題作、ついに邦訳。
「デジタル世界を駆動させるエンジンとなっている論理、すなわち、プロトコルの論理を解き明かすこと、それが本書の眼目であるといっていい。」(訳者)
「本書はプロトコルないし一群のプロトコルに関わる歴史を書こうとしたものではない。プロトコルなるものは広範囲におよぶ歴史を抱え持っており、それは外交、軍事、統治、さらにはプライベートセクターにわたるものである。代わりに私が提供しようとしたものは、デジタルコンピュータと分散型ネットワークという歴史的に特定されるふたつの具体的な技術とプロトコルが交差する際に立ち現われたその新しい歴史の物語なのである。」(本書より)
目次
序言(ユージン・サッカー)
はじめに
第一部 脱中心化後の存在のコントロール
序章
第一章 物理的メディア
第二章 形式
第三章 権力
第二部 プロトコルをめぐるいくつかの失策
第四章 制度化
第三部 プロトコルの未来
第五章 ハッキング
第六章 戦術的メディア
第七章 インターネットアート
結論
訳者あとがき
索引