紹介
::::::::::::::::::::::::::::::::::ということで、今回は幸せとは何か、という僕の主要な研究テーマについての研究書を書いてみたいと思います。不幸せではない人生を送る、とかではなくて、幸せとは何か、です。これはつまり、幸せな人を対象にしなくてはならないのですが、幸せだと自認している人ってなかなかいないんですよね。でも、僕は何人か知ってます。(中略)で、今回もまた幸せ研究がはじまるわけですが、今回の取材の対象は、なんと僕の妻なんです。「幸福人フー」と、タイトルをつけましたが、その「フー」という女性が僕の妻です。::::::::::::::::::::::::::::::::::坂口恭平の「幸せ研究」、今回の主人公は妻の「フーさん」!坂口さんのご著書やSNSに何度も登場しているフーさんは、坂口さん曰く「自分は『しあわせ』だと自認している人=幸福人」でした。そして、「生まれて初めて、自分の鬱を直接、目の前で見せた人」でした。「不安はないの? 寂しくないの? 虚しくならないの?」出会いから20年、フーさんをずっと定点観測してきた坂口さんが、彼女の「しあわせ」の在り方をインタビューしながら探ります。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「寂しいって感じない?」「感じないかも……」「不安は感じるでしょ!」なんか僕もヤケクソみたいになってきてます。「えーっとね、不安、ねえ、それは何か具体的な、こうなったらどうしよう、とかの不安?」「いや、なんか漠然としてて、ぼんやりとしてて……」「それは大変そうだね……。私、そんな不安は感じたことないのかも……」「虚しい、はわかるでしょ!」「えっと……ごめん、全然わからないかも……。虚しいってどんな感じ?」「なんか気が遠くなるっていうか……、この先もずっとこんな苦しい状態が続くかと思ったら、もう居ても立ってもいられないっていうか」「あ、それは大丈夫だよ、ずっと続くことはないと思うよ。だって、これまでもこういうふうになったことあるんでしょ?」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・●もくじ第一回 幸福な人第二回 フーちゃん語法第三回 不安ゼロの人第四回 思ってもないようなことを口にしない方法第五回 フーちゃんの目、躁の僕と鬱の僕の和解第六回 躁状態の僕に対する工夫、フーちゃんの挑戦第七回 「今までの自分」を叱らない第八回 平凡な穏やかさ「幸福人フー」を読んで フーより<br