目次
序 章 王朝物語とは何か----王朝物語及び〈皇女〉の定義、〈皇女〉を研究する意図
第一章 平安朝文学における〈皇女〉
第一節 『源氏物語』以前----『うつほ物語』の女一宮を中心として
はじめに
一 后腹皇女の婚姻----大宮と正頼の婚姻
二 父帝鍾愛の皇女の婚姻----朱雀院女一宮と仲忠の婚姻
三 降嫁後の女一宮----あて宮・女二宮・いぬ宮との関係から
おわりに
第二節 『源氏物語』----今上帝女一宮を中心として
はじめに
一 正編での女一宮
二 続編における女一宮1----薫と女一宮
三 続編における女一宮2----女一宮と匂宮
おわりに
第三節 『源氏物語』以後----後期物語における女一宮----
一 『夜の寝覚』における女一宮
二 『狭衣物語』における女一宮
三 『源氏物語』と平安後期物語の女一宮
おわりに
第二章 中世王朝物語における〈皇女〉----『いはでしのぶ』を中心にして
第一節 『いはでしのぶ』における一品宮
はじめに
一 〈皇女〉としての一品宮----桜と宮中思慕
二 「一品宮」の持つ意味----物語史から
三 『いはでしのぶ』の一品宮----雲居の月と降嫁
四 皇女降嫁の持つ意味
おわりに
第二節 『いはでしのぶ』における女院
はじめに
一 「女院」の論理----母后優待と不婚内親王
二 一品宮の女院宣下
三 物語史の中の女院
四 一品宮から女院へ----「女院」が示す問題
おわりに----「母」としての一品宮
第三節 『いはでしのぶ』における前斎院
はじめに
一 斎院概略
二 密通と死----伏見姉妹との対比から
三 「ゆかり」としての存在
四 「前斎院」の持つ意味 おわりに
補論 「いはでしのぶ」恋と〈皇女〉
はじめに
一 「いはでしのぶ」という言説----「いはでおもふ」との差異から
二 「しのぶ」ことの多義性----「いはでしのぶ」という語り
三 結末としての悲恋遁世譚
おわりに
第三章 〈天皇家〉における女性の役割----〈斎王〉と〈后〉
第一節 物語史における斎宮と斎院の変貌
はじめに
一 物語における斎宮・斎院
二 史実の斎宮・斎院について
三 『伊勢物語』と『狭衣物語』
四 斎宮・斎院の変貌 おわりに
第二節 斎宮・斎院・一品宮、そして女院へ
はじめに
一 史上の「一品宮」
二 物語史上の「女一宮」
三 斎王/一品宮----『狭衣物語』と『恋路ゆかしき大将』から
四 物語史上の女院
おわりに
第三節 「中宮」という存在(一)----『夜の寝覚』を起点として
はじめに
一 『夜の寝覚』における后の論理
二 女性たちの対立構造
三 寝覚の上恋慕の男性たち
おわりに
第四節 「中宮」という存在(二)----『夜の寝覚』の中宮試論
はじめに
一 中宮と男君の様相
二 描写されない容姿
三 「中宮」としての地位
おわりに
第四章 王朝物語享受の一端----『源氏物語』「梅枝」巻から
第一節 物語享受の影響----『源氏物語』梅枝巻の文化構造
はじめに----問題提起
一 「薫物」と歴史概念
二 「書」と文化認識
三 『源氏物語』の文化戦略
おわりに
第二節 「梅枝」巻の物語引用----物語引用の諸相
一 「梅枝」巻の記憶と「春」の訪れ
二 季節の変化と「物語」のゆくえ
三 文の消却と煙
四 〈記憶の共有〉と「物語」
五 光源氏の「記憶」
終 章 〈皇女〉のあり方と「天皇家」
初出一覧/あとがき/索引