目次
序 章 地震学と日本の科学史
日本の科学のヒストリオグラフィー/地震学という問題/分析の方法と枠組み——「中心」と「周辺」の分業
第1章 地震計の科学、ネットワークの科学——外国人による地震研究
日本地震学会、そして外国人の視線/地震計の科学/地震研究のネットワークとミルン
第2章 予防と防御の科学——「日本の地震学」への変容
気象台の科学、気象学的科学/帝国大学と文部省の科学——建築のための地震学/震災予防調査会——日本人による地震研究/地域科学を超えて——「先進性」への挑戦
第3章 世界を観測する——統計、地震計、そして大森房吉
統計の科学としての地震学——地図、表、グラフ/世界を観測する——地震計、郵便、出張/大森の権威——「文明国日本」の象徴
第4章 物理学の挑戦——大森地震学の忘却
物理学的地震学を目指して——実験室科学の挑戦(1900年代)/日本物理学の成長と日本の科学に対する批判(1910年代)/大森体制の崩壊——地球物理学への編入(1920年代)
終章 「追いつき」のヒストリオグラフィーを超えて