目次
はじめに――忍者・忍者学とは何か(山田雄司)
第I部 忍者の虚実
第1章 忍術書を読み解く
一・一 忍術書成立に対する兵法書の影響――『万川集海』と『軍法侍用集』を比較して(福島嵩仁)
一・二 忍術伝書解説――紀州徳川藩『合武伝法急勌嗅物見の巻』(中島篤巳)
一・三 兵学書と忍術書における座標型の換字式暗号(吉丸雄哉)
一・四 伝承された忍術の修行法について(川上仁一)
第2章 忍者文学から忍者映画まで
二・一 忍術雑記集――現代日本で忍術を評した人々(酒井裕太)
二・二 近世実録と忍者――孫子・軍学者・講釈師(高橋圭一)
二・三 忍者マンガの系譜――忍術マンガからNINJAマンガまで(橋本博)
二・四 東映忍者史(山口記弘)
二・五 芭蕉忍者説の周辺(岡本聡)
二・六 秘術の叙法と視覚情報――昭和三〇年代忍法小説の表現と挿絵(牧野悠)
二・七 忍者と暗殺――杉谷善住坊と音羽の城戸(クバーソフ・フョ―ドル)
第3章 現代忍者
三・一 近代日本の霊術運動と藤田西湖(一柳廣孝)
三・二 陸軍中野学校と藤田西湖(山本武利)
三・三 奇術と法術(河合勝)
三・四 「忍術」への想像力――伊藤銀月と藤田西湖(森正人)
三・五 「我ならざる我」を働かせる――伊賀の忍者は石になる(甲野善紀)
三・六 実学としての忍者学――防災教育への忍術の活用とその検証(三橋源一)
第II部 忍者の科学と技術
第4章 医学・薬学・食
四・一 忍者の印と息長の効果の医学的検討(小森照久)
四・二 忍者食の設計デザイン(久松眞)
第5章 火術
五・一 忍者の火器・火術(荒木利芳)
五・二 忍者の情報伝達方法(加藤進)
第6章 武具
六・一 隠し武具の世界(近藤好和)
六・二 弓の種類と目的に応じた射法(松尾牧則)
第7章 築城と忍
七・一 伊賀・霊山山頂遺跡と歴史的重層性(伊藤裕偉)
七・二 伊賀国における中世末・近世初頭の石塔・石仏(竹田憲治)
七・三 小天狗清蔵について――その活動と天正伊賀の乱後の復興(瀧川和也)
第III部 忍者の実像を探る
第8章 合戦戦略と忍者
八・一 戦国島津氏の忍びについて――「いくさ忍び」の事例と特質(桐野作人)
八・二 戦国期関東の忍びと特殊武装集団(岩田明広)
八・三 島原・天草一揆と忍び(山田雄司)
第9章 伊賀者の成立と各地の忍び
九・一 天下泰平の構造(藤田達生)
九・二 徳川幕府伊賀者の成立と展開(高尾善希)
九・三 弘前藩の忍者が担った北日本の治安維持(清川繁人)
九・四 福井藩の忍之者を創設した軍学者──井原番右衛門頼文という個性(長野栄俊)
第10章 公儀隠密・御庭番と江戸期の忍び
一〇・一 将軍直属の隠密、御庭番の実像(深井雅海)
一〇・二 伊賀者の町――鮫河橋谷町(福重旨乃)
一〇・三 江戸時代の伊賀者――一揆探索の隠密御用(深谷克己)
一〇・四 甲賀の山伏と薬、そして忍術を考える(長峰透)
一〇・五 彦根藩伊賀歩行の職務とその供給源をめぐって(東谷智)
第11章 幕末維新期の忍び
一一・一 忍びたちの明治維新(井上直哉)
一一・二 幕末維新期の無足人の軍役と生活――伊勢国無足人を事例に(藤谷彰)
付録 忍術書『軍法間林清陽巻中』と『万川集海』(福島嵩仁)